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2023年度 卒業礼拝が行われました

「共に歩む」 コリントの信徒への手紙一3章6節(新共同訳)

今日は、皆さまと共に、卒業礼拝を守れますことを嬉しく、感謝しています。
いよいよご卒業の時を迎えられますこと、おめでとうございます。そして、「こっち側にようこそお越し。これからは共に働く仲間としてよろしくお願いします。」と申し上げたいと思います。
今、卒業を前にわくわくしていますか。もちろん期待も一杯でしょうが、社会人としてやっていけるかしら、初めての職場にうまく馴染めるかしら、等々、不安なことも一杯なのではないでしょうか。でも大丈夫だよ、とこのメッセージを通してお伝えできたらと思います。

さて、今日のメッセージのテーマを、「共に歩む」といたしました。

誰とともに歩むのでしょうか。保育者である私たちにとってまず、子どもたちでしょう。授業でお話ししたように、私たち保育者が心しなければならないことは、保育者は子どもの上に立つものではなく、こどもと共に、同じ地平に立つものだということです。キリスト教の視点に立てば、それは等しく神さまによってつくられた者であるからです。そして私たちは、子どもたちとともに歩む中で保育者としても育てられていきます。ですから、これから保育現場に出て行かれる皆さん、始めから完璧な保育者であることを目指す必要は無いのです。いえ、完璧な保育者などいない、と言った方が正しいかもしれません。できへんなあ、欠けたところが多いなあ、と自覚しているからこそ、子どもたちに寄り添っていくことができますし、子どもたちと育ちあっていくことができるのです。

次に、共に働く仲間とでしょう。イエスさまも、神さまのことを伝えるお仕事を一人ではなさらず、ともにその仕事をする仲間を集められました。私たちも自分一人の力に頼っているうちはできないことも、仲間とともに歩むなら、きっと道が開かれていくでしょう。同じ園に勤めている職員みんながともに歩む仲間です。また、他の園で保育している多くの仲間もいることを覚えていてください。保育の現場で頑張っている仲間がいると思うだけでも、心強いものです。

3つ目は、保護者の方々です。子どもの育ちをともに支えていく相手として、良い関係を築いていきたいですね。新人の頃は、保護者さんが怖く感じることも多いと思います。でも、子どもを真ん中にすれば、きっと繋がり合っていけます。保護者さんもお子さんのことで様々な悩みを抱えておられます。ともに悩み、考え合っていきましょう。子どもたちとそうであったように、ともに育ち合っていきましょう。他にも沢山の方々の協力を頂きながら子どもたちの育ちのためにともに歩んでいます。社会みんなで子どもたちを育てていっているのです。自分一人だけで頑張らなくて良いのです。

そして、きりたんで学ばれた皆さんに忘れないで頂きたいのが、私たちと共に歩んでくださる方、「イエスさま」です。自分では気付かなくても、普段は気付いていなくても、イエスさまは、必ずそばにいて、私たちの歩みを見守り、支えていてくださいます。だから、どんなときでも一人ぼっちではありません。ぜひ、このことを覚えていていただきたいと思います。

保育の業は、一人ではできません。共に歩む人たちがいるからこそできる業です。そして、また、自分だけで完結できるものでもありません。子どもたちは、幼稚園、保育所、こども園を必ず巣立っていきます。その子の人生のほんの一部分に関わっているに過ぎない、結果も見られない。では、保育の業はむなしいのか、決してそうではありません。今日の聖書個所には、「私は植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。」と書かれています。パウロは、コリントに伝道に行き、教会を生み出しました。その後にアポロがやって来て、コリントの教会を発展させました。しかし、残念な事にコリントの教会は、派閥に分かれていってしまったようです。パウロはそんな教会の姿を聞き、手紙を書きました。自分もアポロもコリントの教会に対してその一部の期間関わったに過ぎない、教会が成長していったのは神さまの力だ、と。保育の業も同じです。一人で走り通すマラソンではなく駅伝です。私たちはその人の人生のほんの一部分に関わるに過ぎない。しかし、神さまがともにいてくださるから、安心してあとを託すことができるのです。私も皆さんに襷を渡していきます。これからの保育を皆さんが創っていってください。

「天職」という言葉があります。自分に向いているから天職なのではなく、神さまからあなたにと託された職業だから天職なのです。そして、託された以上、神さまはそれをなしていく力を与えてくださいます。どうぞ、これからの歩みを一人ではなく、子どもたち、同労者、そのほか様々な多くの人と共に歩んでいってください。そして、ともに歩んでくださる主があなたのそばにおられるということを憶えていてください。

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