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2021年6月3日チャペル・ 杉 貴生先生(堺中央キリスト教会 牧師)のメッセージ

「岩の上に建てられた家」マタイの福音書 7章24~27節

杉 貴生(堺中央キリスト教会 牧師)

【きりたんで学ぶ喜びと誇り】

 大阪キリスト教短期大学はキリスト教主義に立ち、優れた幼児教育を施す大学として有名です。
学生の皆さんは、ここで学ぶ喜びと誇りを持って学生生活を送っておられることでしょう。この伝統ある素晴らしい大学のチャペルで、聖書のお話しができるのは光栄なことです。

【しっかりした土台の上に】 

 本日の聖書のみことばは、イエス・キリストがなさった有名なたとえ話です。賢い人は岩の上に、愚かな人は砂の上に家を建てました。
この二つの家は外見上は同じように見えましたが、洪水や嵐が押し寄せた時にその違いが明らかになりました。
家や建物を建てる時に、外壁の模様や窓のかたち、間取り等も重要ですが、建物として最も重要であるのは基礎の部分です。
建物の土台がしっかりしていないと、外見がどんなに美しくても、傾いたり、地震の時には倒壊する恐れがあります。

【人生の基礎工事】 

 皆さんの多くは、将来幼児教育に関わるお仕事をなさるでしょう。人間は生まれてから様々なことを学んで成長していきます。
最初は初歩的なことから始まって、徐々に高度で複雑なことも理解できるようになっていきます。そのように人間として成長し、やがて自立していきます。そのプロセスの中で、皆さんは初期の教育に関わられます。
幼児の時に学んだことを記憶している人は少ないと思いますが、人間が成長していく過程の中で最も重要な時期に関わりを持たれるのです。

 「三つ子の魂百まで」という諺がありますが、幼い時の人格的な関わりは建物の建築に例えると基礎工事にあたります。
一見目立たないのですが、実はたいへん重要な部分がその時期に構築され、それは後々まで影響を及ぼします。それゆえ皆さんが将来携わるお仕事は責任が重く、たいへん重要な働きです。英語の諺に「揺りかごを揺らす手が世界を支配する」とあります。
皆さんは人間形成の最も重要な時期に関わっていかれるのであり、皆さんの働きが世界の未来を変えることになるかも知れません。
大げさに聞こえるかもしれませんが、それぐらいの誇りと責任感をもって将来働きに励んでくださったらと思います。そのための大切な学びと訓練を、今受けておられるのです。

【人生の試練に向き合うとき】

 このイエス・キリストのたとえ話は、私たちが人生を生きていく上で重要な真理を教えています。私たちの人生の土台が問われているのです。人生には順風の時もあれば、嵐や洪水に例えられる試練の時もあります。それは人生の真価が試される時です。

 私は大学2年生の時に初めて教会に行き、その後クリスチャンになりました。何か深い悩みがあった訳ではありませんが、イエス・キリストを信じてからの私の人生は大きく変えられました。もちろんクリスチャンになっても様々な悩みや苦しみを経験しましたが、試練に対する向き合い方は変わったと思います。私は決して強い人間ではありません。
しかしいつも共におられる神様から力と励ましと希望をいただいています。神様の愛を確信する時に生きる勇気が与えられ、問題を乗り越えることができました。

 皆さんがこれから歩まれる人生には希望が満ち溢れています。数えきれない喜びと幸いを経験されるでしょう。しかし一方で、人生に行き詰まるような試練を経験されるかも知れません。
その時にはキリ短で学んだことや、このチャペルで聞いた数々の素晴らしい聖書のメッセージを思い出してください。試練は時として私たちの目を開き、真に重要なものが何であるかを悟らせる機会ともなります。
学生の皆さんが、人生において本当に大切なしっかりとした土台を見出していかれることを心より願っています。神様の祝福が豊かにありますように!

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