ジレンマの存在と、トレードオフ解決の方向性
教員・生徒がICTに習熟し、その活用度合いが高まれば、高まるほど、総合教育価値が向上する。
従来、したくてもできなかった教育をICTを活用することにより、実現可能となり、総合教育価値がICT導入前よりも、飛躍的に向上(Jump)させていくことが可能となる。
一部の教育現場では、コロナ禍以前よりICT活用に教員・生徒ともに習熟しており、コロナ禍を契機にして、さらに総合教育価値を向上させることができた。
本研究所では、教育効果をWant、Can、Mustの3つのグループに分類し整理している。Want(夢・やりたいこと)では、興味関心を見つけ明確にし幅を広げること、Can(できる・得意であること)では、学力・才能・個性を見つけ伸ばし幅を広げること、Must(義務・規範・守るべきもの)では、社会規範・順法・市民生活を守らせ対応させることとしている。この3つの教育効果を測ることも教育テック2.0の指標の一つとしている。
教育の歴史をテクノロジーの観点から大局的に振り返ると、文字の発明、その後の活版印刷といったように、飛躍的に教育効果を高めるのに、テクノロジーが果たした役割は大きいと考えられる。
現在は、ITを始めとしたテクノロジー活用が盛んである。それに伴い、これまで(過去~現在)とこれから(現在~未来)を比較したときに、教育をめぐる見方や考え方が大きく変わる「パラダイムシフト」が起きるという仮説を、本研究所で10ほど立てている。