大阪キリスト教短期大学 子どもを愛する保育者を育てる

大阪キリスト教学院 大阪キリスト教短期大学 幼児教育学科

学長スペシャルインタビュー

2020年4月より山本淳子教授が本学の学長に就任しました。
それを記念して、学長へのスペシャルインタビューを実施しました。テーマは『これまでの”きりたん”、これからの”きりたん”』。自身の母校である本学に、そのときどきに応じて、様々な立ち位置から、長年にかけて関わってきた山本新学長。その模様を以下にまとめてみました。

 

過密だった学生時代

―ご自身も本学の卒業生です。まずは『これまでの“きりたん”』ということで、在学中のお話を聞かせてください。

私が入学したころは、今より子どもの絶対数が多かったこともあり、幼児教育学科(当時は児童教育学科)の学生数も多かったですね。当時はまだ木造校舎が残っていて、ギターマンドリンクラブの練習の音や聖歌隊の合唱などが筒抜けで聞こえてくるような、にぎやかな環境でした。そんな中で目立ったのは、空き時間の有効活用です。ピアノの練習やクラブの個人練習、就職対策の勉強などにいそしむ学生がいました。何かと過密な中、すき間時間の活用に迫られていたのかもしれません。

―そのような環境の中で、学長はどう過ごしておられたのですか?

私はクラブ活動中心の生活でした。創作舞踊部に所属していた関係で、体育研究室に出入りすることが多かったです。この顧問の先生がマナーに厳しい方で、入室退室時のノックや挨拶の姿勢など、事細かに注意されていました。

―厳しい指導に反発はされなかったのですか?

なかったですね。むしろ、大人として扱われている感覚です。できるようになることが自信につながりました。
やっぱりそこには、教員との信頼関係といったものがありました。「必ずできる」「できるまで教える」という確固たる信念をもって教育・指導する気持ちが我々学生にも伝わってきました。

学生への高評価 当時から

―当時の授業内容で、印象に残っていることは?

教育実習ですね。今でも付属園を活用した観察実習や教育実習は実施していますが、今以上に時間にゆとりがあったのでしょうか? 直接園児と交わる時間も多く、付属園の教員からもきめ細かい指導をしていただく機会が与えられていた印象が強いです。
そのため、学外の園へ実習などに行っても、本学生の評判は非常に高かった。それがまたプレッシャーと感じる学生がいたかもしれませんが。

―学長が本学を選ばれたのは、やはりそういう評判があったからですか?

そもそも私が短期大学への進学を選んだのは、早く社会に出て働きたかった、というのが一番の理由です。その中でも、初等教育や幼児教育に対する本学の評価の高さは、高校時代にも口コミで聞いていました。
あまりこんな話をすると、どうかと思いますが、当時はまだ、先生になろうという気持ちはなくて、短大の2年間で考えればよいと思っていたのです。本学の校風や教育の本気度、教員や学生の熱心さにどんどんひかれていったのは、入学後ですね。その後、幼稚園に就職し、現在に至るまでずっと現場と教育に携わってきました。当時の私からすれば、まさかこんなに長く幼児教育に関わるなんて夢にも思いませんでした。

時を経ても変わらぬ「2大特長」

―卒業後長年、現場での経験を積み、その後、本学の教員になられたわけですが、『今の“きりたん”』についてお聞かせください。

社会の変化が著しい昨今ですが、私の学生時代と変わらず、本学の気風は脈々と受け継がれています。まず生活面では、明るい挨拶や思いやりを持ったコミュニケーション、社会人としてのマナーや態度を身に付けること。そして教育面では、音楽や体育、造形といった実践的な学び。本学を根底から支える生活面、教育面の2大特長は、細かい点では修正・改善されマイナーチェンジしていますが、しっかりと継承されています。

―細かい部分の変化というのは?

例えば、演習などの授業で行われている個人・グループでの発表方法や各教員の教育方法は、当時とは比べ物にないくらい発展していて、より実践的な学習ができるようになっています。講義が中心の授業においても、各教員が工夫をこらし、より学生の理解度が高められるよう、様々な手法が取り入れられています。

―ところで、本学に対して、外部から「真面目、厳しい」というイメージを持たれているようですが、いかがでしょうか。

教育に携ろうとする者には必要な姿かもしれません。半面、保育には柔軟性を持ったマインドやユーモアがそれ以上に必要だと考えていますので、安心してください。
本学の約9割以上の学生が卒業後、「先生」として就職していきますが、中には違う進路を選ぶ学生もいます。キャリアセンターの職員やゼミの指導教員とともに、学生の悩みに寄り添えるような組織を作ることが、学生の目標実現への近道だと考えています。

「いのち育む大人」を育てたい

―先生が言われるように、社会変化の著しい昨今です。『これからの“きりたん”』は、どのように対応されていくのでしょうか?

いろいろお話しましたが、本学はやはり幼稚園や保育所、こども園の保育者を育成する学校です。伝統を継承し、質の高い保育者、現場ですぐに活躍できる保育者の育成を目指すのは、これまでと変わりません。
一方で、さらに大きな枠組みとして、私たちには「いのちを育む大人を育てる」使命があると考えています。
遊び場の減少や虐待など、子どもたちを取り巻く環境が厳しくなる中、これまで以上に子どもを大切に思い、子どもを取り巻く大人の方も取り込んで、「大きな愛」「命の尊さ」を発信できる保育者の育成を目指したいのです。

学生から子どもに 笑顔のリレーを

―そのために、学生に何を伝えていきたいですか。

困難な環境という点では、学生自身も苦労することが多いとは思います。学習面について言えばこれまで以上にフォロー態勢を拡充したい。学生たちを孤立させない、教職員に相談しやすい環境を提供していきたいと思っています。我々が学生のためになすことが、しいては子どものためにつながっていきます。学生たちの笑顔がいずれ、子どもたちの笑顔へと伝わっていくことを願っています。